看護師不足の要因の一つとして、少子高齢化の進行が挙げられます。

日本では高齢者の割合が増加傾向にあり、それに伴って高齢者医療の需要も増えているのが現状です。

医療機関は看護師を含む医療従事者を増やす必要がありますが、少子化によって若い働き手の数が減少しています。

結果として、新たに看護師を確保することが難しくなっているのです。

また、看護師の労働条件が厳しいことも大きな要因でしょう。

看護師はシフト勤務が多く、夜勤や長時間勤務が常態化しています。

こうした過酷な労働環境は心身ともに大きな負担となり、仕事を離れる人が後を絶たないのです。

責任が重い仕事ながら、給与や待遇が他職に比べて低いと感じる人は多く、これも離職の一因となっています。

さらに、地方と都市部の人材分布の不均衡も問題です。

都市部の医療機関は比較的多くの看護師を抱えている一方、地方の医療機関の看護師不足は顕著と言えます。

そして、看護師資格を持っていながら実際には働いていない潜在看護師も課題の一つです。

再就職のための支援制度や復職プログラムがあるものの、まだ十分に機能しているとは言えないでしょう。

看護師の役割が多岐にわたることも、負担を大きくする要因です。

医療技術の進歩や患者のニーズの多様化に伴い、看護師はさまざまな専門知識を必要とされています。

状況改善に向けて、労働環境の改善や再就職支援の強化、人材の均衡化などさまざまな取り組みが必要です。